3代目の珈琲見聞録

僕がこのお店を継いだ理由

僕がこのお店を継いだ理由

僕が継ぐか、廃業するか、の2択でした。 両親含めほぼすべての人は廃業だと考えていたようです。 ーーーーーーーーーー こんにちは、昭和23年創業の自家焙煎珈琲屋「澤井コーヒー本店」の3代目店主です。 ブログをご覧いただきありがとうございます。 今回は、自分がこのお店を継いだ理由について、読んでいただけたらうれしいです。 ーーーーー   元々あった別の夢 高校3年生の僕には「法律家(弁護士や検事、裁判官)になる」という夢がありました。 夢を叶えるため大学は法学部のみを受験し、大学入学後は司法試験を目指して勉強をはじめました。 が、早々にリタイアしました。(笑) 理由はなんとも怠惰なものですが(笑) なんせ勉強についていけない。サークル活動が楽しい。大学でできた友達と遊ぶのが楽しい。そんな調子で法律家への志はあっさりと消えてしまいました。誤解のないよう補足しておくと、家業を継ぐために法律家の夢を諦めたわけではありません。   「3代目はねえ 家業を継ぐために 夢を捨てたのではないんだよ 法律の勉強する気がなくなったのがさき 家業を意識したのが後 さわを」という順序ですね。 そんな調子で「将来何になりたい?」への答えがなくなった僕に、就活の時期がやってきます。 僕が継ぐか、いずれ廃業か。 大学3年生の年末、家業の社屋を兼ねている実家に帰省したとき、初めて「家業を継ぐ」ということを意識しました。 両親から何を言われたわけではなく「なんかふと思った」という感じでした。 当時家業は、代表である父と従業員さん2名、3人とも60歳を超えていて、新しく人が入る気配はなく、僕が小さいころ見ていた家業の活気と比べると、いくぶんか落ち着いた雰囲気がありました。父と家業の話をしたことはありませんでしたが「すぐではない未来のある幕引き」を予感させるには十分な雰囲気がありました。 前述のとおり会社の奥の住まいで育った僕にとっては、いつか会社を畳むことを想像するのは、自分の一部を失うほど寂しいものです。久々に帰省した当時の僕は、それはもうじわじわと感じたものです。   そんなとき、思いついたんです。 「僕が継いだらこの会社続けられるやん!(単純)」 かくして、後継ぎになることを決めました(笑) そうと決まれば両親に報告です。 僕「この会社継ぐわ」 両親「は?」 両親からすれば、まさに青天の霹靂であります。...

僕がこのお店を継いだ理由

僕が継ぐか、廃業するか、の2択でした。 両親含めほぼすべての人は廃業だと考えていたようです。 ーーーーーーーーーー こんにちは、昭和23年創業の自家焙煎珈琲屋「澤井コーヒー本店」の3代目店主です。 ブログをご覧いただきありがとうございます。 今回は、自分がこのお店を継いだ理由について、読んでいただけたらうれしいです。 ーーーーー   元々あった別の夢 高校3年生の僕には「法律家(弁護士や検事、裁判官)になる」という夢がありました。 夢を叶えるため大学は法学部のみを受験し、大学入学後は司法試験を目指して勉強をはじめました。 が、早々にリタイアしました。(笑) 理由はなんとも怠惰なものですが(笑) なんせ勉強についていけない。サークル活動が楽しい。大学でできた友達と遊ぶのが楽しい。そんな調子で法律家への志はあっさりと消えてしまいました。誤解のないよう補足しておくと、家業を継ぐために法律家の夢を諦めたわけではありません。   「3代目はねえ 家業を継ぐために 夢を捨てたのではないんだよ 法律の勉強する気がなくなったのがさき 家業を意識したのが後 さわを」という順序ですね。 そんな調子で「将来何になりたい?」への答えがなくなった僕に、就活の時期がやってきます。 僕が継ぐか、いずれ廃業か。 大学3年生の年末、家業の社屋を兼ねている実家に帰省したとき、初めて「家業を継ぐ」ということを意識しました。 両親から何を言われたわけではなく「なんかふと思った」という感じでした。 当時家業は、代表である父と従業員さん2名、3人とも60歳を超えていて、新しく人が入る気配はなく、僕が小さいころ見ていた家業の活気と比べると、いくぶんか落ち着いた雰囲気がありました。父と家業の話をしたことはありませんでしたが「すぐではない未来のある幕引き」を予感させるには十分な雰囲気がありました。 前述のとおり会社の奥の住まいで育った僕にとっては、いつか会社を畳むことを想像するのは、自分の一部を失うほど寂しいものです。久々に帰省した当時の僕は、それはもうじわじわと感じたものです。   そんなとき、思いついたんです。 「僕が継いだらこの会社続けられるやん!(単純)」 かくして、後継ぎになることを決めました(笑) そうと決まれば両親に報告です。 僕「この会社継ぐわ」 両親「は?」 両親からすれば、まさに青天の霹靂であります。...